へなちょこ人間の独白

廉司という名前でtwitterを始めました。大学生のブログです。普段考えていることなどを書いています。

【日常】美女とお散歩デートした話

 いつもみたいな何かについて論理的な文章を書こうと思うと書けなくて、ここ数日記事を公開できませんでした。すまそ。だから今日はちょっと趣向を変えて、日記的で散文的な、知的生産については怠惰な文章を書こうかと。

 

 自粛が始まって2週間ほど経った頃だろうか。かねてから懇意にしている女の子と一緒に散歩でもするか、ということになった。その子と自分の関係性はただの仲の良い友達といった感じで、特に恋愛の香りがするようなものでもない。その子には彼氏がいて、ただその彼氏の住まいが遠いので簡単には会えないというわけである。自分は毎日暇をしており、その子の家までも30分もあれば行けてしまうので、ふらっと出かけておしゃべりでもしながら町を歩くということが出来るのだ。

 

 もう少しその子との関係について書く。その子は高校の部活の後輩で中々にモテる人であった。同期の仲にも彼女のファンは多かったし、あちらこちらで噂話の立つような人気者であった。高校在学当時は正直な話可愛いとも思わなかったのであるが、アメリカ留学中にLINEをしたり電話したりして、異国の地で天涯孤独な自分に構ってくれた有難いお方なので少し可愛い奴だなと思い始めたわけである。日本に帰ってからも何度か二人で食事をしたし、二人とあと何人かで食事をしたこともしばしば。それでも、恋愛に発展するようなことはなかったのでそういう男女の仲というのもあり得るのだろう、と思う。

 

 まだ暑くなかった良く晴れた4月の午後、「今から行くね」と言って自転車を転がし始めた。3月に3万円で買った安物であるが、東京の街を乗り回すのにはこれで十分。車道の車の迷惑にならないよう、歩道を行きかう人々に不快な思いをさせぬよう、肩身を狭くしながらぐんぐんと漕いでいった。それにしても長袖の上着を羽織ったのは失敗で、日焼け対策にはなるけれど上着の下は汗、汗、汗。顔にはあまり汗をかかないタイプなので表向きは涼しい顔をしているが、帰宅する頃にはシャワーを浴びたくて仕方がなかった。

 

 そうして30分も自転車を漕がずに彼女のもとへ馳せ参じた。手軽な暇つぶしの相手になってあげる自分のふっ軽さは便利でもあるが、もう少し腰の重い、レアリティの高い人間になりたいとも思う。彼女も涼しげな格好で、いつもと違うのはマスクをしていることである。以前「マスクは嫌いだ」と言っていたが強い芯を持った彼女も世間の風潮にはなかなか逆らえないところがあるのだろう。その辺にある公園まで一緒に歩くことになった。

 

 話の内容はいつもと変わらず、彼女の深い愛を一心に受ける彼氏の話やなぜ俺に彼女が出来ないのかという終わりのない議論、音楽の話、将来の話、近ごろの世間の話。話題に尽きない、というよりは彼女の巧みな話術によって話題が尽きさせられていないだけなのであるが、とにかく何も考えずに長い間喋っていられるのは気楽で楽しい。

 

 という、何もない時間を過ごしたわけであるが、このくらいの人との接触がないと人間生きていけないと自分は思う。彼女にもまた会いに行きたいと思う。でも、次は苦しいけどマスクをしながら自転車を漕ごうと思った。