へなちょこ人間の独白

廉司という名前でtwitterを始めました。大学生のブログです。普段考えていることなどを書いています。

緊張

僕は、かなり緊張する人間だ。今までたくさんの大小、いろんな本番を迎えてきたけど、一度だってリラックスして臨めたことはない。毎回毎回同じことの繰り返しで、本番が近くなれば過剰に緊張し、自分の準備不足を悔やみ、一刻も早くプレッシャーから解放されることを願う。本番が嫌いだ。

 

小学生のころから、本番のたびに親に期待され、いい結果を出せなければひどく叱られた。あまりいい思い出が小さいころからない。その反面、練習は気楽でよろしい。失敗しても誰にも怒られないし、音楽やスポーツを、練習の時には存分に楽しむことが出来る。公式戦なんてなければいいのに、と、中学生の頃はよく思った。

 

今目の前にある現実はそんな僕にとって、最悪だ。一定周期で本番が襲ってくる。最低でも一か月に一度くらいは審査がやってきて、自分の知識と技量を確認される。その度に酷くナーバスにならなければいけない。パイロットの一番いやなところである。この留学期間が終わっても、この審査からは逃れられない。エアライナーとして飛び始めれば半年に一回はこの審査を受けなければならない。

 

こんなに本番が嫌いな自分にとってパイロットはなかなか厳しい職業だと思う。審査に落ちればもう空は飛ばせてもらえない。

 

こんな生きづらさを抱えながらパイロットと向き合うのは大変だし、かといってパイロットを諦められるわけでもないので、考え方を変えることにした。本番こそ自分が一番輝ける場である。それは普遍的な事実なのだ。誰も練習は評価できない。練習を評価し始めたらきりがないし、練習でたまたま上手くいったものを実力とは言えないだろう。

 

何より、社会に自分の能力を知らしめることが出来るのは本番だけなのだ。本番で出せたものが自分のすべてで、自分がどう思おうと、周りが何と言おうと、本番がすべてなのは致し方ない世の中の仕組みなのだ。今までの自分を恨んで本番に怯えている暇などなく、本番でいいものを出せるように準備を積み重ねるしかないのだ。エアラインに入ればすべてのフライトが本番だし、お客さんは本番にしかお金を払ってくれない。

 

もう過度に緊張して自分を守ろうとするのはやめようと思う。本番からは逃げられないし、自分の実力からも逃げられない。緊張していいことなんて一つもない。

 

明日から、自家用過程最後の審査が始まる。これに通れば、大切な人たちに空の楽しさ、美しさを見せてあげることが出来る。事業用過程を終えないと飛ぶことで生きていくことは出来ないけれど、自腹を切ってみんなを上に連れていけるだけでもちょっと嬉しい。落ち着いて、自分で自分の首を絞めないようにするだけだ。