へなちょこ人間の独白

廉司という名前でtwitterを始めました。大学生のブログです。普段考えていることなどを書いています。

パイロット

久々に冬の嫌な天気が戻ってきた。気温は-3度と高めだが、それが災いして雲が低く垂れこめている。今日は朝からシミュレーターの訓練をやって、夕方にフライトの予定だったけれどきっとキャンセルになってシミュレーターの訓練に変更になるだろう。ここ最近は晴れて飛べる日が続いていたので毎日のように空を飛んでいた。毎日飛ぶと結構大変だけど、エアラインに入れば毎日何時間も飛ばないといけないのでへこたれるわけにはいかない。

 

ここ数日たくさん飛べていることもあって、パイロットについて考えるようになった。何を考えるかというと、どんなパイロットになりたいかとか、パイロットのあるべき姿とか、そんな感じだ。とりあえず直近の課題は操縦がべらぼうに上手くならないといけないということだ。最近フライトタイムが100時間を超えた。アメリカで出来る訓練のうち半分近くをもう飛んでしまったけれど、自分の操縦の下手糞さには目も当てられない。いままでの訓練は飛行機を飛ばすということになれるので精いっぱいでどれだけ上手く飛ばせるかまで考えられなかったけど、もう1年後にはエアラインの就職試験を受けないといけないことを考えるともっともっと上手にならねば。

 

今自分がどんなレベルかを書いてみると、まず高度が気を抜くと100ft以上もずれる。エアラインに入るにはこれをほとんど0にしないと就職させてはくれないだろう。次に速度、これも要所要所で気を遣えないと20ktも30ktもずれてたりする。気づいたときにはずれちゃってました、じゃなくてずれ始めた瞬間に修正しないと試験官に呆れられてしまうんだろう。他にもムズカシイことをやっていると機体が暴れだしたりする。直す動作が大きいとそれが次のずれに繋がって一生機体は安定しない。しんどい時こそ優しく扱ってあげないと自分の思い通りに飛んではくれないのだろう。まあ今の自分の下手糞さはつらいけど誰もが同じ道を通って上手くなって来たのだと割り切って頑張るしかないだろう。

 

どんなパイロットになりたいか考えていて、最近自分のなかで気づいたことはやっぱり国際線を飛びたいということである。この訓練所に入った当初は、パイロットとして就職してそれで暮らせればいいや、程度に思っていたけれど実際に飛んでみるとやっぱり就職出来ればどこでもいいっていうわけじゃないな、と思う。就活が運ゲーの要素も多く含んでいることをみんな知っているので、同期は守りに入って大手に入りたいなんて大っぴらには言わないけれど、今の日本の鉱区会社の状況で長距離国際線を飛べるのはやっぱり大手2社、入った大学から考えたら青組しかあり得ない。

 

自分が傷つかないように最初から目指さないようにするのも1つかもしれないけど、折角チャレンジ出来る場所に立っているんだからやっぱり青組が第一志望で頑張ってみようと思う。

 

訓練所に滞在してくれている現役機長が国際線を飛んでいた頃は、ロンドンのステイで1日過ごすときにカフェでワインを飲みながら音大生の路上演奏を聴いたり、夜にロイヤルフィルのコンサートに行ったりしていたらしい。自分も国際線のパイロットになったらそんな生活が出来るのかな…なんて思った。頑張ってそれが叶うなら頑張らないわけにはいかないだろう。

 

どうやら雲が上がってきて、教官は飛ぶつもりらしい。急いで準備して空港に行くことにする。ごきげんよう