へなちょこ人間の独白

廉司という名前でtwitterを始めました。大学生のブログです。普段考えていることなどを書いています。

怠惰な太陽

高緯度なこのアメリカのド田舎は中庸のすばらしさを知らない。夏は気が遠くなるほど日が長く、冬はびっくりするくらい日が短い。冬至が近づいてきた今日この頃は朝の8時に日が昇って16時には沈んでしまう。実に1日の1/3しか太陽が仕事をしないのだ。一番近い海岸線から700マイル、東海岸と西海岸の方向に測れば1300マイルも離れているという超内陸の地形も相俟ってまさに熱しやすく冷めやすい、陳腐な恋愛物語のような気候になっている。

 

気温が零下15度くらいある代わりに晴れているので空は本当に広くて綺麗に見える。特に空の中心の濃紺から地平線の淡いブルーにかけてのグラデーションはそれなりに見ごたえがあって、夕方に飛行機から見える真っ赤に染まった夕焼けのパノラマもアメリカの巨大さと自分のちっぽけさを思い知らせてくれるので良い。不思議な色に染まった空を背景に葉っぱを落として骨組みだけになった木のシルエットがくっきりと浮かんでいるのも写真を撮ったら絵になるんだろうと思う。

 

そろそろ自分の不寛容さを治したくなってきた。小さいときから―具体的には小学校の中学年くらいから、自分の趣味は大分他の大勢の友達とは異なっていたと思う。その時からちょっとアカデミックな自覚はあったんだけど、流行のドラマやアイドルをテレビで眺めたりすることよりも飛行機の図鑑を眺めたりいろんな本を読むことの方が好きだった。多分この癖はその時から始まってるんだけど、大衆的なものというか、アイドルとかテレビとか、とにかく同世代の子たちが気に入っている大半を、軽薄で取るに足らないものだと思ってしまう。

 

きっと自分にその価値はわからないんだろうけど、とにかく否定することはやめようと思う。アイドルでもドラマでも、JPOPでも、自分がそれに触れて感動できるかは横に置いておいて、自分の心に嘘をついてそれを称賛するわけじゃないけれど、下らないとは言わずにそういうのが好きなんだと、相手の気持ちを尊重出来たらいいんだろう。上手な伝え方はよくわかんないけど。

 

自分がそういう人間になればきっと大衆に好いてもらえないファゴットとかクラシックとかその他諸々を尊重してもらえるかもしれないし、あわよくば自分の沼にはまってくれる人が出てくるかもしれない。特別になるためにわざわざマイノリティを選んでしまった心を変えようと思ってもしょうがない。周りの人のこころをもっと大事に大事に扱いたい。